育児・教育

子どもの教育費はどう貯める?教育資金の貯め方

子どもの教育には多額のお金がかかります。「できれば好きな道に進ませたい」と思うのが親心ではないでしょうか。そのためには教育費がいつまでにいくら必要かを把握して、計画的に準備していくことが大切です。この記事では、子どもの教育費やその貯め方について詳しく解説します。

教育資金を貯めるメリット

教育資金を貯めるメリット
子どもの将来の進路は、生まれた時にはわかりません。しかし、進路によっては多額の費用がかかります。子どもの成長過程で自らが望んだ道に進んでほしいと考えるのが、親としての気持ちでしょう。多額の資金を短期間で準備するのが難しい人も少なくありません。できれば、子どもが誕生したらすぐに将来のために教育資金の準備を始めましょう。親からの経済的援助があれば、子どもの将来の選択肢も広がります。

いつまでにどれくらい貯めればいいのか

いつまでにどれくらい貯めればいいのか
教育費を準備するには、いつまでにいくら貯めるのかという目標を決めることがスタートラインです。教育費に関するデータを参考にして、自分なりの目標設定をしてみましょう。

大学や専門学校への進学率はどのくらい?

文部科学省の「令和2年度学校基本調査」によると、大学や専門学校などの高等教育機関への進学率は83.5%です。この高等教育機関には、4年制大学、短期大学、高専、専門学校が含まれます。18歳人口の8割以上が何らかの高等教育機関に進学しているというわけです。子どもの進路は本人次第ではありますが、高校卒業後に大きな教育費がかかることが考えられます。

幼稚園から高校までの教育費はいくらかかる?

幼稚園から高校までの子ども1人当たりの1年間の教育費を、文部科学省の「令和2年度学校基本調査」から紹介します。ここに含まれる教育費とは、学校教育費・給食費・習い事などの学校外の活動費のことです。

公立 私立
幼稚園 22万3,647円 52万7,916円
小学校 32万1,281円 159万8,691円
中学校 48万8,397円 140万6,433円
高等学校(全日制) 45万7,380円 96万9,911円

高校までの教育費は、基本的に毎月の生活費から賄うことが望ましいといえます。毎月の教育費を負担しながら、高校卒業後の教育費を準備していくことになるのです。

大学や専門学校の教育費はいくらかかる?

高校を卒業してから大学や専門学校に進学する場合の教育費は、日本政策金融公庫の「令和2年度教育費負担の実態調査結果」のデータから紹介します。

入学時・在学にかかる費用は?

以下は、進学先別の入学費用と1年あたりの在学費用をまとめた表です。入学費用には、受験費用・入学した学校への納付金・入学しなかった学校への納付金が含まれます。

入学費用 在学費用
高専・専修・各種学校 50万4,000円 130万6,000円
私立短大 58万2,000円 176万9,000円
国公立大学 77万円 115万円
私立大学文系 95万1,000円 152万1,000円
私立大学理系 94万2,000円 192万2,000円

例えば、私立大学文系の4年間の学費は703万5,000円(95万1,000円+(152万1,000円×4年))となります。また、国公立大学の医学部の6年間の学費であれば、767万円(77万円+(115万円×6年))です。いずれにしても高校卒業後に数百万円単位の教育費が必要となることがわかりました。

下宿する場合の費用は?

高校卒業後の進学先によっては、自宅外に下宿することも考えられます。その場合の費用も上記と同様に、日本政策金融公庫のデータから紹介します。

  • 自宅外通学を始めるための費用(アパートの敷金や家財の購入費):39万3,000円
  • 自宅外通学する子どもへの年間仕送り額:90万3,000円

仕送り額を月額に換算すると約7万5,000円です。自宅からの通学と下宿しての通学では、かかる費用に大きな違いが出ることを頭に入れておきましょう。

大学や専門学校の教育費は早くから準備が必要

以上のことを踏まえ、なるべく早く教育費の準備を始めましょう。子どもが生まれたら教育について夫婦でよく話し合い、方針を共有しながら資金準備をすることが大切です。家計の状況は世帯ごとにさまざまで、すべての教育費を親が負担できないこともあります。その場合は、奨学金や教育ローンの利用も考えられます。子どもが高校生になったら、家計の状況とどこまで教育費を負担できるかを伝えるとよいでしょう。

教育資金の貯め方の選択肢

教育資金の貯め方の選択肢
大まかな教育資金準備の金額の目標を立てたら、どのような方法で貯めるかを考えます。貯める方法には、主に以下のようなものがあります。

預貯金・財形貯蓄

銀行や郵便局での預貯金や、給与天引きの財形貯蓄は元本保証のため、教育資金を安全確実に貯める方法です。元本割れしない反面、現状の超低金利ではお金を増やすことが難しいと言えます。できれば、投資と併用して増やすことも取り入れると効率がよくなるでしょう。

学資保険

子どもの教育資金準備というと、まず学資保険という人も多いでしょう。学資保険は子どもの教育費を準備する、貯蓄機能のある保険です。

学資保険の保障内容

学資保険は満期時に満期保険金が受け取れ、学費に充てることができます。また、契約者(親や祖父母など)の死亡時に以後の保険料の支払いが免除されることも、学資保険の重要な保障です。商品によっては子どもの入院保障や節目年齢(高校入学時など)にお祝い金が付いているものもあります。その場合、保険料がやや高くなり、満期時に受け取る保険金にも影響があることに注意が必要です。

学資保険のメリット

保険料が払い終わると決められた満期金が受け取れることと、親の死亡時にも学資が準備できることは学資保険のメリットです。また、学資保険に限らず生命保険の保険料は毎月引き落とされるので、確実にお金が貯まります。しかも、基本的に満期までお金を引き出すことはできません。貯金が苦手な人にとって自動引き落としの生命保険は、強制的にお金が貯められる仕組みなのです。

学資保険のデメリット

昨今の超低金利の影響で、学資保険の貯蓄性は下がっています。子どもの入院保障が付いている保険などは、満期保険金が支払った保険料を下回るケースも少なくありません。元本割れしなくても、増えるお金はごくわずかです。契約してから満期までの間に学費が予想以上に高くなった場合、想定していた準備ができないことになります。

学資保険以外の生命保険

子どもの教育費が準備できる生命保険は学資保険だけではありません。学資保険には「貯蓄性が低い」という欠点がありますが、生命保険の中には学資保険以上にお金を増やす可能性のある商品があります。生命保険なので、親の死亡時にも保険金によって教育費の確保が可能です。

外貨建て保険

保険料を米ドルなどの外国の通貨で運用する保険が、外貨建て保険です。一般的に外貨は日本円より高金利のため、支払った保険料より多くの満期金や解約返戻金を受け取ることが期待できます。ただし、保険料支払い時や保険金受け取り時に、為替変動の影響を受けます。特に受け取り時に極端な円高になると、元本割れのおそれもあることに注意が必要です。お金を引き出すタイミングが近くなったら為替の動きに注目し、なるべく円安のときに解約するようにしましょう。

変額保険

契約者が支払う保険料を特別勘定という投資信託で運用して、運用成果に応じた満期金や解約返戻金が受け取れる投資型の保険を変額保険といいます。契約者自ら運用する場合がほとんどで、運用の成果次第で支払った保険料より大きな満期金や返戻金の受け取りが期待できます。その一方で運用に失敗すると元本割れする場合もあることを知っておきましょう。

つみたてNISA

つみたてNISAは国民に投資を普及させるために、投資信託の運用益を非課税にする国の制度です。リスクを軽減する仕組みが備わっているので、初心者でも取り組みやすい投資です。通常、投資信託の運用益には20.315%の税率で課税されます。つみたてNISAは1人あたり1年間に40万円までの非課税限度額があり、その中で発生した利益に対して税金がかかりません。最長20年にわたり非課税の積み立てができ、必要に応じて資産の引き出しができます。元本保証ではありませんが、コツコツ積み立てることで長期的にお金を増やすことが期待できます。

個人向け国債

個人向け国債は個人を対象にした国債で、証券会社だけでなく銀行や郵便局などでも購入できます。運用期間は3年、5年、10年から選択でき、購入後1年経過すれば中途換金も可能で元本割れもしません。高金利ではありませんが預貯金より高い金利で運用できるので、安全性を重視する人に適しています。

賢く教育資金を貯める方法

賢く教育資金を貯める方法
最後に教育資金を貯めるうえで、役立つポイントや注意点を紹介します。

先取り貯蓄を徹底する

毎月の給料のうち一定の金額を貯蓄に回し、残った金額で生活していくことを「先取り貯蓄」といいます。生活費の残りを貯蓄しようと思っても、あるだけ使ってしまう人は少なくありません。貯蓄が苦手な人は自動的にお金を貯める仕組みを作り、「残ったお金は自由にやりくりしてよい」としたほうが楽にお金を貯められます。給与天引きなどを利用するのも1つの方法です。

児童手当は教育費に充てる

中学生までの子どもがいる人に対しお金が給付される制度が、児童手当制度です。児童手当の支給額は子どもの年齢に応じて次のように決められています。

  • 3歳未満:一律1万5,000円
  • 3歳以上小学校修了前:1万円(第3子以降は1万5,000円)
  • 中学生:一律1万円
  • 収入が一定以上の所得制限世帯:全年齢一律5,000円

受け取った児童手当を生活費などには使わず、学資保険やつみたてNISAで教育資金を準備する原資にしましょう。それだけで中学卒業までに約200万円(所得制限世帯なら90万円)以上の教育費が貯まります。なお、2022年10月支給分から、主たる生計維持者の年収が1,200万円以上の世帯には児童手当の支給がなくなります。

教育費の貯め時は小学生までと心得る

子どもの教育費は、年齢とともに多くの金額が必要です。中学生になると、公立に通っていても部活動や塾などにお金がかかるようになり、将来の教育資金に多くのお金を回せなくなります。公立の場合に限りますが、一般的に子どもが小学生までがお金を貯めやすい時期です。この時期に貯蓄をどれだけがんばれるかが、教育費準備の成果を決めることになります。そのことを意識し、無理のない範囲で計画を立てて貯蓄をしていきましょう。

まとめ

子どもの教育費は早く準備するほど、毎月の負担を少なくできます。準備する手段として、学資保険の他につみたてNISAなどの投資も選択肢の1つです。それぞれの方法にメリットもデメリットもあるため、自分に合った方法を選択することが大切です。効率よく増やしていくには、確実に貯める学資保険だけではなく、外貨建て保険、変額保険、つみたてNISAなど、お金を増やす可能性のある商品も検討に入れるとよいでしょう。

この記事を書いた人

松田聡子
ファイナンシャルプランナー

群馬FP事務所代表

明治大学卒業後、ITエンジニアとして証券会社のシステムの設計開発に従事。顧客の業務を勉強するなかで資産運用に興味を持ち、投資を始める。その後、国内生保での法人コンサル営業に転身。本格的にFP資格取得を目指す。2007年より独立系FPとして開業。当初は主に企業型確定拠出年金講師やFP資格受験講座の講師として活動。現在はマネーサイトへの執筆と個人や法人へのコンサルティングが活動の中心。FPとしての得意分野は保険・資産運用・年金・相続など。70年代の洋楽ロックとヨーロッパサッカーの愛好家。

保有資格:日本FP会認定CFP・DCアドバイザー・証券外務員二種