お金と保険の相談例

【相談例】 定年

定年を迎えたので、保険の見直しをお願いします。また、退職金の使い道も相談したいです。

相談者
男性(65歳)無職/非喫煙者 ※退職金2,000万円

<家族構成>
妻(61歳) 無職/非喫煙者
加入中の保険
・夫:終身医療保険:6,000円/月
がん保険:3,000円/月
(養老保険:30,000円/月 ※払込期間は65歳で終了)

・妻:定期保険:5,000円/月
定期医療保険:1,500円/月
がん保険:1,500円/月
相談したいこと
・定年をきっかけに、保険の整理をしたい
・退職金の使い道を検討したい

人生の総医療費の半分は、65歳以上で消費している?

先日、定年退職しました。生活が変わりますので、保険の見直しをお願いします。

ファイナンシャルプランナー

長いお勤め生活、本当にお疲れさまでした。これから先もご夫婦が安心してセカンドライフをお送りいただけるよう、保険についても考えていきましょう。

まずは医療保険です。人生における総医療費のうち半分は、65歳以上でかかっている、というデータがあります。つまり、医療費が大きくかかってくるのはこれからということです。

※厚生労働省:【平成29年国民医療費の結果の概要】表6 年齢階級、性別国民医療費より

私は、30年ほど終身医療保険に加入していますが、その保険で医療費はカバーできませんか?

ファイナンシャルプランナー

医療保険はどんどん進化していますので、昔のタイプの医療保険ですと、残念ながら保障が今の時代にあっていない可能性が高いです。今後考えられる病気のリスクにしっかり備えたいのであれば、新しいものに入り直したほうがいいかもしれません。

そうすると、保障内容や保険料はどうなりますか?

ファイナンシャルプランナー

近年、短期入院や通院での治療が増えていますので、入院・通院保障が日額5,000円と、短期の入院にも対応できるよう入院一時金特約、そして3大疾病にかかったら一時金50万円が給付される内容にした場合、保険料は月13,000円です。

がん保険はどうしたらいいですか?

ファイナンシャルプランナー

がん保険も、昔加入された保険のため保障がやや弱いのですが、そのぶん医療保険に3大疾病特約をつけてカバーしています。ですので、このまま継続していただいて大丈夫です。

わかりました。妻の医療保険は定期型なのですが、終身型にしたほうがいいのでしょうか。

ファイナンシャルプランナー

はい、奥様の保険は80歳で保障がなくなってしまいます。※日本人女性の平均寿命は87歳ですから、途中で保障が切れてしまうのは避けたいところです。

がん保険はそのまま継続していただくとして、定期医療保険は終身タイプに変え、旦那様と同じ保障内容にすると、保険料は月8,500円程度です。

※厚生労働省:平成30年【簡易生命表】より

医療保険はけっこう上がってしまいますね。

ファイナンシャルプランナー

ご夫婦で26,000円ですので、大きな金額にはなってしまいますね。あとは、保障と保険料とのバランスをどうお考えになるかです。

悩ましいところではありますが、じっくり考えてみます。

満了を迎えた「養老保険」、どう活用する?

ファイナンシャルプランナー

もうひとつ、奥様の定期保険も80歳で保険期間が終わってしまうのも気になるところです。平均寿命までお元気に過ごされた場合は保険金が受け取れませんので、保険料がむだになってしまいます。ここは終身保険に切り替えることをおすすめします。

医療保険での負担増を考えると、これ以上保険料が上がるのは避けたいのですが…。

ファイナンシャルプランナー

そこで活用したいのが、旦那様の養老保険です。
こちらは最近満了を迎えられ、今解約すると500万円の返戻金が受け取れます。この500万円を、奥様の終身保険に充ててはいかがでしょう。
たとえば、死亡保障が500万円の終身保険に加入した場合、月の保険料は約15,000円です。仮に平均寿命くらいの88歳まで払い込んだ場合、保険料の総支払額は489万円なので、養老保険の返戻金でそっくりまかなえることになります。

であれば、養老保険の解約金で、妻の終身保険を一時払い(※)するほうがシンプルではないですか?

ファイナンシャルプランナー

一時払いにすると、たとえ夫婦間でも贈与税がかかってしまうのです。一方、奥様の名義で毎月保険料を支払う方法にすると、保険料の非課税枠が活用できるメリットがあるんですよ。

なるほど。しかし、養老保険を解約すると私の死亡保障がなくなりますよね?

ファイナンシャルプランナー

おっしゃる通りです。他方で、旦那様はまとまった退職金を受け取られていますので、万が一のことがあっても退職金でじゅうぶんまかなえます。さらに、退職金を上手に活用していけば、老後資金を効率よく準備していくこともできますよ。

※一時払い:保険期間中の保険料をまとめて支払うこと。保険料の支払い方法のなかで、総支払額がもっとも安くなる。

退職金は、株や投資よりも「安定性の高い保険」で賢く運用を

退職金の活用というと、株や投資になりますか?

ファイナンシャルプランナー

ご年齢を考えると、一般的にハイリスクとされる株や投資より、保険商品での運用のほうが安心かもしれません。

たとえば、ターゲットタイプ・一時払いのドル建て終身保険をご検討されてはいかがでしょう。

聞き慣れない保険ですが、どういったものですか?

ファイナンシャルプランナー

あらかじめ、10%、20%など増やしたい%の目標を設定したうえでドルで運用し、目標を達成したタイミングで円に戻るという仕組みの保険です。ドル建て商品には為替変動リスクがつきものですが、目標とする利益を達成した段階で円に戻るので、その後は為替の動きで利益が左右されることはなくなる、というわけです。

それは魅力的ですが、本当に10%も増えるんですか?元本割れするリスクもあるんじゃないでしょうか。

ファイナンシャルプランナー

時々の情勢にもよりますが、10%であれば5〜7年で達成することがほとんどです。万が一達成されない場合も、10〜15年後には元本が保障される商品もありますよ。

また、保険商品なので、税制面で有利になる点もポイントです。たとえば、株や投資などで200万円の利益を得た場合、20.315%の約41万円が税金として引かれます。一方、保険の場合は「一時所得」として扱われ50万円の非課税枠がありますので、150万円の利益に対し5%の所得税、75,000円となります。

※0.315%は復興特別所得税として2037年まで課税

その金額差は大きいですね。

ファイナンシャルプランナー

先にもお伝えしたように、10%でしたら比較的短い期間での達成が期待できますので、達成したら解約して200万円の利益はいつでも使えるお金としてプールしておき、再度、2,000万円をターゲットタイプ・一時払いのドル建て終身保険で運用するのも一案です。

そうすると、運用成績によっては15年以内で400万円ほどプラスになることもある、と考えられますね。

ファイナンシャルプランナー

可能性はあります。退職金の活用で「+@のお金」を増やすことができれば、万が一のときはもちろん、たとえば介護などの費用にも充てることができますよ。

たしかに、どんな用途にも使えるお金が多くあったほうが、さまざまなリスクにも対応できますね。
相談に乗っていただきありがとうございました。

FPからの提案

加入中の保険 見直し後
終身医療保険 6,000円 終身医療保険※1 13,000円
がん保険 3,000円 がん保険 3,000円
養老保険 3,000円
※払込期間は65歳で終了
定期保険 5,000円 終身保険※2 15,000円
定期医療保険 1,500円 終身医療保険※3 8,500円
がん保険 1,500円 がん保険 1,500円
退職金の活用方法 ドル建て終身保険(ターゲットタイプ・一時払い)に加入。2,000万円を一時払いにし、目標%は10%に設定。達成後は解約し、場合によっては再度加入し直す。
貯蓄型保険総額 0円 貯蓄型保険総額 15,000円※4
掛け捨て保険総額 17,000円 掛け捨て保険総額 26,000円
合計 17,000円 合計 48,000円


※1 加入中の保険は解約し、より保障が充実した終身医療保険に加入
※2 夫の養老保険の解約金500万円を充て、非課税枠を活用するため月払いに設定
※3 定期医療保険は解約し、夫と同程度の保障をつけた終身医療保険に加入
※4 養老保険の返戻金を充てるため、実質は0円

見直しのポイント

  • これから増える医療費に向けて、60歳以降は医療保険での備えは厚めに設定を。
  • 退職金の活用は、安定性&税制優遇も視野に入れて考えよう。
  • 老後のさまざまなリスクに備えるには「どんな用途にも使えるお金」の準備が大切。

この記事を書いた人

LifeR編集部