お金と保険の相談例

【相談例】 子どもが独立

子どもが独立しました。ライフステージが変わったので、保険を見直したいです。また、老後の備えについてもアドバイスをお願いします。

相談者
男性(55歳)会社員/年収600万円/喫煙者
※銀行預金2,000万円・退職金500万円予定

<家族構成>
妻(52歳)専業主婦/非喫煙者
加入中の保険
・夫:終身保険:20,000円/月
収入保障保険:10,000円/月
終身医療保険:2,000円/月

・妻:定期保険:4,000円/月
定期医療保険:1,500円/月
がん保険:1,500円/月
相談したいこと
・子どもが独立したので保険を見直しし、年齢的に必要な保険があれば知りたい
・ある程度まとまったお金があるので、老後資金づくりに活用したい

50代の医療保障は「10年後、15年後にかかる医療費」をイメージしながら考えよう

2人の子どもが巣立ち、ようやく養育費がかからなくなりました。今後のマネープランを考えるにあたり、まずは保険を整理したいと考えています。

ファイナンシャルプランナー

子育てが一区切りされたとのこと、本当にお疲れさまでした。ではさっそく、医療保険からみていきましょう。

旦那様の終身医療保険は、保障内容が加入された当時のままですので、残念ながら現代の医療事情にあっていません。入院日額は7,000円にして、短期入院や通院時、3大疾病保障があると安心です。

現在、5,000円に設定している入院日額を7,000円に変更したほうがいい、ということですね。その理由を教えてください。

ファイナンシャルプランナー

一般的な大部屋のベッド台5,000円に、入院中の食事代やシーツ代、コインランドリー代などの入院滞在費2,000円をプラスし、7,000円にしています。ちなみに、個室の場合1日20,000円程度かかることもあるようです。

お仕事をされている間は、入院日額5,000円を超えた部分の支払いが発生しても、そこまで負担ではないかもしれません。ですが、10年後や15年後、年金生活が始まったらどうでしょう。

負担に感じそうですね…。

ファイナンシャルプランナー

また、今後大きな病気を経験されると、保険の見直しが難しくなってしまいますので、ご健康なうちに老後を見据えた保障を備えておくことをおすすめします。

よくわかりました。では、必要な保障をつけると保険料はどのくらいになりますか?

ファイナンシャルプランナー

先にご提案した保障をつけると、月7,000円程度になりそうです。

奥様も同じくらいの備えがあったほうが安心でしょう。ご加入中の定期医療保険とがん保険は解約し、旦那様と同程度の保障をつけた終身医療保険に加入し直すと、保険料は月6,000円程度です。

医療保険は2人とも上がってしまうんですね。とはいえ、必要性を感じるので検討してみます。

意外とお金がかかることも?そろそろ意識したい「最終整理資金」のこと

ファイナンシャルプランナー

次に、死亡保障についてもみていきましょう。
一般的には、お子さんの教育費がかからなくなったら、大きな死亡保障は不要になると考えることができます。

では、死亡保障はどれくらいあればいいですか?

ファイナンシャルプランナー

葬儀費用やお墓代といった「最終整理資金」として、200〜500万円程度にされるケースが多いです。

葬儀の規模はコンパクトになってきていると聞くので、500万円は多いような気がしますが…。

ファイナンシャルプランナー

おっしゃる通り、葬儀の規模などによっては200〜300万円でじゅうぶんな場合もあります。

一方、仏式では戒名のお布施などでお寺に支払う費用が想定以上にかかった、という声をよく耳にします。もし菩提寺がおありでしたら、親族の方などにお布施事情を聞いておけるといいかもしれません。

確かに、少し多めに準備しておいたほうが家族に迷惑をかけずにすみそうですね。

ファイナンシャルプランナー

ちなみに、500万円という数字は、相続税の生命保険の非課税額(法定相続人1人あたり)でもあります。相談者様の場合、奥様と2人のお子さんを受取人にしておけば、1,500万円(1人500万円)までは生命保険の非課税枠が使えますよ。

なるほど、保険で資産をのこすと税制面でのメリットもあるのですね。

50代は「第二の年金づくり」のフェーズ!保険で増やす仕組みをつくろう

では、死亡保障に関しては、加入中の終身保険の死亡保障が500万円なので、このまま続けて問題ないですか?

ファイナンシャルプランナー

継続してもいいですし、すでにまとまった資金がおありですので、終身保険は一時払い(※)にしてもいいかもしれません。一時払いにしたあとは保険料の支払いはなくなり、そのままおいておけばお金が少しずつ増えていきます。

銀行預金の2,000万円の一部を、終身保険の一時払いに充てるということですね。

ファイナンシャルプランナー

そうです。子育てが一段落した50代は、第二の年金づくりを意識したい世代ですが、超低金利時代の今、銀行に預けていてもお金はほとんど増えません。

となると、株や投資信託が思い浮かぶかもしれまんが、50代以降で初めてスタートするには、リスクが高いかもしれません。
たとえば、株や投資信託をしている最中に万が一のことがあったとします。そうすると、相続の話がまとまるまで口座のお金は凍結されます。その間に株価が変動し、たとえば1,000万円が500万円まで減ってしまっても家族にはどうすることもできない…そんなリスクも考えられます。

それは避けたいです。

ファイナンシャルプランナー

そこで、保険で保障を確保しながら、株や投資よりも小さいリスクでお金を運用することをご提案しています。

ちなみに、株や投資などで利益を得ると20%が課税されますが、保険で得た利益は一時所得扱いとなり50万円までは非課税ですので、たとえば50万円プラスになったら50万円だけ受け取る、といったように活用する方法もありますよ。

なるほど!では、今ある資金を保険で運用するとしたら、どんな方法がありますか?

ファイナンシャルプランナー

まず、お子さんがもう独立されていますので、収入保障保険は解約して問題ないでしょう。
かわりに、がんなどに備えつつ貯蓄ができるタイプのドル建て終身保険をご提案します。

死亡保障は終身保険で確保されていますので小さくてかまいません。そこで、死亡保障が200万円、がんを含む3大疾病にかかったら1,000万円の保障がついたドル建て終身保険に加入したとしましょう。
年金生活が始まる前に支払いを終えたいので、10年の短期払いにすると、月の保険料は5万円程度です。

10年で支払う保険料総額は600万円。その後解約せずに持っていれば、金利が乗って支払った保険料以上に増えていきますし、万が一がんにかかってしまったら1,000万円の保障を受けられますので、損をする可能性はほとんどありません。

老後の備えにぴったりですね。しかし、ドル建てはリスクが高いイメージもあります。

ファイナンシャルプランナー

為替変動リスクはありますが、世界で取引されている通貨の40%以上がドルですので、価値が大きく下がることは考えにくいでしょう。また、ドルと円はシーソーのように逆の動きをすることがほとんどですから、両方持っていることはむしろリスクの分散にもつながりますよ。

※BIS(国際決済銀行)が2019年に発表したデータによると、通貨ごとのシェアは44%と半分に近いシェアとなっています。

40%以上とは知りませんでした。では、妻の定期保険も解約し、ドル建て終身保険に切り替えたほうがいいですか?

ファイナンシャルプランナー

そうですね、ドル建て終身保険でもいいですが、資産はさまざまな方法でバランスよく持つことがおすすめですので、その意味では変額保険で備えるのも一案です。

たとえば、死亡保障が230万円くらいのものであれば、月10,000円の保険料で加入できます。
奥様はまだ50代前半ですので、支払い期間を20年にしても71歳です。この間の保険料の支払総額は240万円。変額保険は利率がよいので、このまま解約せずにおいておけば、運用成績によっては倍近くになる可能性もありますよ。

銀行にただ預けておくよりはずっと高い利率が期待できるのですね!

ファイナンシャルプランナー

はい。このように預け先を工夫することで、お金のプラスにも、税制面での優遇にもつながります。
せっかくまとまった資金がおありですので、保険を上手に活用して、老後も安心して過ごせる「お金の仕組み」をつくっていきましょう。

ありがとうございます。前向きに検討したいと思います。

※一時払い:保険期間中の保険料をまとめて支払うこと。保険料の支払い方法のなかで、総支払額がもっとも安くなる。

FPからの提案

加入中の保険 見直し後
終身保険 20,000円 終身保険※1 20,000円
収入保障保険 10,000円 終身医療保険※2 7,000円
終身医療保険 2,000円
定期保険 4,000円 変額保険※3 10,000円
定期医療保険 1,500円 終身医療保険※4 6,000円
がん保険 1,500円
余剰資金の活用方法 死亡保障200万円、3大疾病保障1,000万円の保障をつけたドル建て終身保険に加入。月50,000円の保険料で10年短期払いにし、65歳以降は支払いがなくなるように設定。保障を確保しつつ、そのままおいておけばお金が増えていく仕組みを老後資金づくりに活用する。
貯蓄型保険総額 20,000円 貯蓄型保険総額 60,000円※5
掛け捨て保険総額 19,000円 掛け捨て保険総額 13,000円
合計 39,000円 合計 73,000円

※1 一時払いにし、そのままおいておく。収入保障保険は解約
※2 短期入院保障、通院保障、3大疾病保障を特約でプラスする
※3 定期保険は解約し、変額保険に加入
※4 定期医療保険、がん保険を解約し、夫と同程度の保障の終身保険に加入
※5 終身保険は一時払いにするため今後の支払いなし。新たに加入するドル建て終身保険と変額保険の保険料の合計が60,000円

見直しのポイント

  • 医療保険は10年後、15年後を見据えた保障を今のうちに備えておこう。
  • 子どもの独立後の死亡保障は「最終整理資金」のみでOK。
  • お金の預け先を工夫して、保障を備えつつお金を増やす仕組みづくりを検討しよう。

この記事を書いた人

LifeR編集部